《加藤寿牛書道展》
室蘭市所蔵作品:展示8月16日まで
加藤寿牛は室蘭市ゆかりの書家。昭和、平成を代表する書家・金子鷗亭に師事し、漢字仮名交じりの口語文を書家の感性で表現する『近代詩文書』を制作。日展に8度入選を果たすなど、その作品は高く評価されました。
生きて不死鳥のように
純白の衣装をまとって優美な姿をみせた羊蹄山は 高く澄み上がった蒼い空の下に 聖なる女性のようにすっくと立っている
海に海豚は踊る女の軀體へ營み續け公孫樹の葉は落ちる
もう一度濃いお茶を飲んで別れませう
ゆらゆらと紋白蝶がとぶ 激しい草いきれのなかで
似合わぬ木瓜の花でも花瓶に押せば花唇を震わし壺との調和に赤くなる
漲る生きものは地上絵緒蝕み盡くした この球體を清浄に還すため あなたはもう一度氷河時代を呼ぼうか