《聖地チベット〜ポタラ宮と天空の至宝》
九州国立博物館で見たチベット展はとても印象深かった。
その移動展が北海道近代美術館で開催中なので友人と見に行った。
仏教芸術が大好きな私は時間をかけて見とれていた。釈迦如来像、トルコ石を身につけた十一面千手千眼観音菩薩像、弥勒菩薩像、文殊観音菩薩像、妖艶なダーキニ立像に目を引きつけられた。
玉を使ったパクパ像の音声ガイドでモンゴルのクビライに信を受けたパクパがモンゴル文字の基本となったパスパ文字を考案したのだという。最近モンゴル書道などで
モンゴル文字に親しみを持っていた私はその由来を知り得て嬉しかった。
チベット教といえばテレビで放映された五体投地をしてチベットポタラ宮巡礼に向かう信者たちの姿が目に浮かぶ。
信者は「オン マニ ペメ フン」と真言を唱えなが
マニ車を回す。実際にまわしてみると遠心力が働いて美しい弧を描いた。
チベット展へ同行した友人とその夜、キウシト湿原にホタルを見に行った。ホタル観察会期間中で初めて好天に恵まれ、儚げながらも力強い光を放つホタル達がたくさん飛び交っていた。空を見上げるとおぼろ月と夏の星座がかすかに煌めいていた。