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内モンゴルの草原に煌めく星々

8月22日に第5回シルクロードの旅が始まる。
今年は新疆ウイグル自治区に行く予定だったが、安全を優先し黄河流域の旅に変更となった。
先頃シルクロード同好会伊原事務局長の薦めで、室蘭民報に内モンゴル草原の星空について投稿したところ、《シルクロードの夢再び》として、今日の新聞紙上に掲載された。
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 私が初めてシルクロード同好会の旅に参加したのは2004年の内モンゴル・蘭州・嘉峪関・敦煌・少林寺・洛陽・鄭州の旅だった。その旅の途中に内モンゴルの草原で見つめ続けた煌めく星々の姿が、5年経った今でもくっきりと脳裏に浮かぶ。
 私はY子さんと二人で内モンゴルの草原に佇み、時を忘れて星空を眺め続けた。
「あっ、流れ星!」
「えっ、どこどこ!」
 私は彼女の指さす方を見上げ一生懸命流れ星を探したけれど、すでに遅し、流れ星はあっという間に消えさってー。
 草原は漆黒の中、まるで宝石をちりばめたように光る満天の星。星の層の上に星の層、またその上に星の層。星の群れが幾重にも層をなし深い夜空に輝いていた。地球と呼ばれるこの星も澄みきって透明な星々と同じように煌めいているのだろうか。
 内モンゴル出身の小学生ノーミンちゃんが以前私に話してくれたことがある。
「室蘭の星は本当の星じゃない。内モンゴルの空には星がいっぱい輝いているんだよ。光り方も全然違うんだから」
 その子が言っていた星空に巡り会いたくて、心動かされて、ワクワクしながらこの地にやってきた私。期待通りの素晴らしい星空が延々と広がる草原で、ただただ感嘆する私。
 内モンゴル自治区の通遼で6歳まで過ごしたというY子さんは幼い頃にいつもこのように降り注ぐ星々を眺めていたのだろうか。「Y子さん、ようやくあなたの生まれ故郷の内モンゴルに戻ってきましたね!この地の夕日も煌めく星々も、吹く風さえも優しくあなたを包み込んでくれましたか」
 首が痛くなるほど仰ぎ見ると、なぜか切なく、そして、寂しく悲しくて涙こぼれ落ち、心は天空を駆けめぐり、いつしか夫と私の若かりし日に想いを馳せていた。結婚間もない頃に大滝村で2人してこのような星空に出会ったことがあった。あの頃も今日と同じように夜空に星がさんざめいていてー。
シルクロード同好会の事務局長伊原さんがロマンチックなお言葉で私を同好会の旅に誘ってくださった。
「内モンゴルの草原で寝ころびながら星空を見よう。きっと旦那さんの星に出会えるよ」
 私は子供のようにあの星かな、この星かなと探してみたけれど、結局夫の星を見つけられない。もう、どの星だなんて決めるのはやめよう。重なり合う星々を眺めながら彼との思い出に浸れたんだもの。
 あの夜、目にした全ての星が「元気を出そうね」と微笑みかけてくれたように思えた。
 小さな幸せ。あの時間は私にとってかけがえのないものになったのです。
 2009年6月13日にNHKニュースの中で、国策として内モンゴルに送り込まれた人々を取材したドキュメント映画「嗚呼 満蒙開拓団」の試写会があったと報道された。ドキュメント映画の第一人者の羽田澄子監督が困難な引き揚げの中、命を落としてしまった人々や残留孤児になってしまった人々、国策に翻弄され過酷な運命を迎えなければならなかった人々のことを、多くの人に知って欲しいと映像にしたのです。
 送り込まれた開拓団員は約25万人。しかし、その内の約8万数千人が、ソ連参戦、日本の敗戦によって帰国できずに亡くなっているそうです。現地の人々も送り込まれた人々も皆、戦争の犠牲者だったのです。
 最近、長崎原爆資料館を訪れ声を失った。いつも犠牲に強いられるのは庶民。国の大義のもとに繰り広げられる戦争。憲法で「戦争放棄」をうたう日本は侵略、破壊、命を奪い合うことの残酷さと愚かさを世界中にアピールする責任があると思う。
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by tianzao | 2009-08-02 21:24 |

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