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室蘭大空襲が小説新潮1月号の中に記載されています

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《軍医候補生・箒木蓬生(ははきぎほうせい)著》
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7月初旬、いよいよ各自の配属先が決まった。私を含めた三名が室蘭陸軍病院分院である。・・・・・・・早朝から敵艦隊艦載機の攻撃が始まり汽車がなかなか進まない。夕方とうとう登別のトンネルにはいったまま動けなくなった。五時間あまり待ってトンネルを出、深夜やっと輪西に着いた。

艦砲射撃は、まず御前水にある日本製鋼所あたりを攻撃目標にしたようだ。人家が木の葉のように空高く舞いあがり、ゆっくり落下していく。そのあと腹に応える音がする。家の中に人がいれば、その結果は言わずもがなだ。
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敵の観測機が一機、空に舞っている。着弾地点がすこしずつこちらに近づいてくる。御前水、輪西を攻撃し、今は日本製鉄所だ。昼夜なく操業しているので、従業員が工場内に残っている可能性もある。
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病院に運び込まれないままに死亡した住民がどれくらいいるかは、これでは把握できない。家屋の崩壊や、あちこちにあいた大きな穴を見ると、その被害の大きさが推しはかられる。

この日だけでも、負傷者約千八百名、死者三百名という集計をU病院長に報告した。全体の住民の死者は、およそその十倍ではないかと申告したところ、U大尉は顔をしかめ、「これはまだ序の口だろうな」と呟いた。

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by tianzao | 2011-01-04 12:21 | 出来事

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