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若き朋友たち

伊原克利シルクロード同好会事務局長が室蘭民報に寄稿した。
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先日、遙か中国の西、甘粛省敦煌の地から荷物が届いた。若き中国の友人からである。
今から13年前の五月、私は久しぶりに敦煌のバザール(市場)を歩いていた。
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こんな物が売れるのかという日用品が地べたに雑多に並ぶなか、小さな台に印鑑を並べて商いをしている若者と目が合った。その爽やかな笑顔につられてお土産に数本の印鑑を注文しホテルへ戻った。
数時間後彼は彫り上げた印鑑を手にホテルの部屋へやって来た。言葉は全く通じない。ワインを飲みながらの筆談が続く。一歳の男の子がいると彼はペンを走らせた。
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それ以来、敦煌と室蘭での文通が始まり、敦煌を訪れる度に彼の歓待を受けた。訪問前の彼の手紙にはいつも、「私の家にお招きして古い友人である伊原さんを妻の手料理で歓迎したい」と書かれている。
そして、いつもその通り、彼は私を家に招き家族揃って歓待してくれるのだ。ロバ肉、羊肉、ピータンなどの美味しい奥さんの手料理と敦煌の美酒で乾杯と歓談が続く。
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そして一歳だった男の子越越(ユエユエ)君も今は中学生になり、上達した胡弓の演奏で我々を歓迎してくれる。
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その彼からの贈り物はなつめ、乾燥したハミ瓜、干しぶどうなど、そして手紙。
「こちらはみんな元気です。北海道は寒いでしょう。どうか厚着したり工夫して元気でいてください」 敦煌の友人より

発送された日付は十二月七日とある。彼の優しい気持ちが伝わってくる。年の離れた異国の朋友、範青年から初春の嬉しい便りである。

「ただいまあ!」
彼は私の玄関のドアを開けるなり大きな声で女房殿に声をかけた。元室工大留学生の羅さんである。河南理工大学の理事長一行に同行して来蘭したのだが、この日、彼は一行と別行動で私との再会に一日を割いてくれた。私は洞爺湖の露天風呂へ彼を招き、のんびりと旧交を暖めた。
夕方、我が家には久しぶりに元留学生が集まった。モンゴルの満、ネパールのラム、中国の羅、日本の私。我が家の茶の間は四カ国の国際交流の場となった。
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みんな在学中の数年間よくここで飲み、語り、歌ったものだ。すでに遠くなった過去が懐かしく思い出される。今は各地で活躍している彼等がこうして我が家へ来てくれる。何とも嬉しい日となった。
「伊原さん、是非焦作へ来てください。待っています。必ずですよ」
羅さんはこの言葉を残して我が家を後にした。
「みんな、出世を考えるよりも、いい人生を生きろよ」と野暮な老婆心が動くが、ぐっとそれを飲み込んで、「じゃあ、またいつか」と彼等を見送る。
家の階段を下りる彼等の背中に少し冷たい日差しがそそぎ晩秋の一日が終わろうとしている。
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by tianzao | 2009-03-23 22:03 | 交流

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