父の命日に合わせて帰省していた妹のもとに、5日の夜9時過ぎ隣家から緊急電話が入った。
「石神井川が氾濫して、マンションの1階全てが床上浸水中。私たちは家のドアが開かずに閉じ込められて、今消防のレスキュー隊がくるのを待っているところなの。水がどんどん増えてきて恐ろしい!塀も倒れてすごい状態よ。あなたの家もひどいことになっています」
テレビをつけると水につかった妹が住むマンションの映像が・・・、息をのんで見つめる妹たち。すぐに帰りたくても帰れない。6日の一番機の予約をし、眠られない夜を過ごして、翌朝4時に慌ただしく母宅を後に新千歳飛行場に向かった。
「私たちの帰宅を待っていた同じマンションの上の階の人たちと管理会社の人たちが、畳を出したり水を掻き出したりして片付けを手伝ってくれているの、床上40センチ、あれもこれも水浸しでひどいものよ」と妹から第一報がはいった。
妹のマンションは北区にある。石神井川の改修工事で護岸の弱いところから水が溢れたらしい。これほどの雨量は想定外だったと役所の人がテレビで弁解していたけれど・・・。それに最近高速道路の取り付け道路も近くに開通したので地形が変わったことも原因かもしれないよね。
その夜9時過ぎに妹から電話がかかってきた。
「みんなに手伝って貰って少し片付いたけど床下収納や掘りごたつの水はまだそのままで、家中ヘドロのにおいがしていて、家の前ではドジョウがはねていて、側溝では鯉が流されているのを見たの。庭で飼っていた金魚もめだかもどこかへ流されちゃった。流されていた自転車はみんなで見つけて運んできてくれたんだって。明日も手伝うとみんなが言ってくれてね。大丈夫だから心配しないでね」
何もできない私は一日も早く妹夫婦の生活が落ち着くように願うばかり。